賭ケグルイ『公共財ゲーム』についてビジネスを考える。

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ビジネスの場では『裏切り』か『協調』か、どちらがいいのか?

前回公開した記事(FBIも使ってる交渉テク!最後の詰めに必要な4つの要素)第9弾です。

いよいよビジネス系記事も大詰めです。

 

今回の記事は、ビジネスの取引において、もしも、もしも一度きりしか関わりのない取引先と関わる場合、我々は裏切りをするべきか、協調をするべきか、どちらがいいでしょうか。

賭ケグルイの公共財ゲームというゲームを引き合いに考えてみましょう。

 

公共財ゲームとは?

賭ケグルイというギャンブルのみで学校内のカーストが決まるという特殊な学園で、一人のとある転校生が並みいるギャンブルでのし上がってきた猛者たちをボコりまくる漫画があるのですが、

その中で出てきた、公共財ゲームというのがあるのですが、なかなか奥が深くて面白いゲームだったのでご紹介します。

 

ルール

・参加者全員にメダル5枚配布されます。

・参加者はそれぞれその5枚のメダルを、公共金庫と個人金庫に入れることができます。ただし必ず全部入れるようにする。

・全員が入れ終えたら、公共金庫の中に入っているメダルの数を2倍にして、参加者全員に均等に分配します。

・これを合計5ゲーム行い、個人金庫のメダルが40枚を越えていてかつ一番メダルの多かったものが勝ち

・獲得枚数の順位に応じてボーナスが与えられる

 

というゲーム。

このゲームの肝は、裏切り者が美味しい思いをする可能性がある。というところです。

どういうことかというと、例えば参加者が5人いたとします。

その5人が、全員公共金庫にメダルを入れたとしたら、その金庫の中にはメダルが全部で25枚入っています。

それを2倍にすると50枚となりそれを全員に分配するので、個人金庫の中にはそれぞれ10枚のメダルが入ります。

 

では、例えば、5人の中の一人がメダルの5枚を公共金庫ではなく、個人金庫に入れ、残りの4人は公共金庫にメダルを入れたとします。

すると、公共金庫の中に20枚のメダルが入っているので、それを2倍して40枚なので、全員に8枚のメダルを分配します。

すると、公共金庫に入れた4人の個人金庫には8枚のメダルが、個人金庫に入れた者は13枚のメダルが入っていることになります。

つまり、公共金庫にメダルを入れなかった者が、ちゃんと入れた者に比べて多くのメダルを手にしている事になります。

このように、公共金庫に入れた者が損をし、個人金庫に入れた者が得する事になります。

 

しかし、だからと言って、全員が公共金庫に入れず個人金庫にメダルを入れてしまうと、結局全員の個人金庫の中身は5枚しかなく、この状態が5回も続くと全員の個人金庫のメダルの合計は25枚となり、40枚という最低ラインを超えられず失格となってしまいます。

 

いわゆる一種の囚人のジレンマという状態になってしまいます。

なので、ある程度の協力が必要になってくる行動経済学のゲームとなっています。

 

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公共財ゲームでの最適解

ビジネス記事シリーズ第1弾(ビジネスで使える!戦略的思考で勝負強い人になろう!その①)でご紹介した、1対1の場合の囚人のジレンマでは、

最初は協調の姿勢をし裏切られたら次のゲームで裏切り、相手が協調に戻したら、次のゲームで協調に戻す。以下繰り返し、

という紳士の態度でゲームに望むのが囚人のジレンマでの最適解でした。

では今回の場合だとどうなるのでしょうか。

問題なのが、今回のゲームでは先の1対1というゲームではなく、複数人で行うゲームとなっているので、紳士の態度で望むのが良いのかどうか怪しくなってきます。

 

期待値を求めてみる

簡単に参加者を3人とします。

メダルは、一人に5枚づつ渡されます。

その時に、自分が何枚公共金庫に入れると、どれだけのリターンがくるのか求めてみましょう。

\(\)

まず、3人をA, B, Cとし、その3人が公共金庫に入れるメダルの枚数をそれぞれ $$x枚, y枚, z枚$$とします。

では、Aを私たちとして考えて見ましょう。

Aが、x枚入れたときのリターン後の自分の個人金庫の中身の期待値を求めて見ます。

まず、A, B, Cそれぞれ、公共金庫に入れるメダルは全員(0枚, 1枚, 2枚, 3枚, 4枚, 5枚)の6通りです。

そのとき、Aの期待値は

$$(Aの期待値) = \frac{1}{6³}\sum^{5}_{x=0}\sum^{5}_{y=0}\sum^{5}_{z=0}\left[ \frac{2(x+y+z)}{3}+5-x \right]$$

$$(Aの期待値) = \frac{1}{6³}\sum^{5}_{x=0}\sum^{5}_{y=0}\sum^{5}_{z=0}\left[\frac{2y+2z-x}{3}+5 \right]$$

$$(Aの期待値) = \frac{1}{6³}\sum^{5}_{x=0}\sum^{5}_{y=0}\left[\frac{6\times2y+6\times(-x)+30}{3}+5\times6\right]$$

$$(Aの期待値) = \frac{1}{6^2}\sum^{5}_{x=0}\sum^{5}_{y=0}\left[\frac{2y-x+5}{3}+5\right]$$

$$(Aの期待値) = \frac{1}{6^2}\sum^{5}_{x=0}\left[\frac{6\times(-x)+30+30}{3}+5\times6\right]$$

$$(Aの期待値) = \frac{1}{6}\sum^{5}_{x=0}\left[\frac{-x+5+5}{3}+5\right]$$

$$(Aの期待値) = \frac{1}{6}\left[\frac{-15+30+30}{3}+5\times6\right]$$

$$(Aの期待値) = \frac{45}{3\times6}+5$$

$$(Aの期待値) = \frac{15}{2} = 7.5$$

となります。

 

いっぺんに計算してしまいましたが、簡単にいえば、Aはランダム枚数公共金庫にメダルを入れると、最終的な手持ちは7.5枚になるという事です。

各々の枚数投じたときの期待値は以下の通り

$$(Aが0枚のときの期待値) = \frac{25}{3} \simeq 8.33$$

$$(Aが1枚のときの期待値) = \frac{24}{3} = 8$$

$$(Aが2枚のときの期待値) = \frac{23}{3} \simeq 7.67$$

$$(Aが3枚のときの期待値) = \frac{22}{3} \simeq 7.33$$

$$(Aが4枚のときの期待値) = \frac{21}{3} = 7$$

$$(Aが5枚のときの期待値) = \frac{20}{3} \simeq 6.67$$

この結果から、Aが取るべき行動というのは、もっとも期待値が高くなる0枚公共金庫に入れるのがいいということがわかります。

しかし、これで良いのか?という事になりますが、

当然ながらありえませんよね。Aは3人のうちの1人ですから、BもCも同様に0枚を選択するに決まってますよね。

しかしこうなってしまうと、最低ラインの40枚に到達することなど到底無理でしょう。

 

では、この場合の解決策はどうするべきなのか考えて見ましょう。

 

持論

この問題に関する最適解ですが、白状しますと自分が大学で学んでいるのは応用物理であって、行動経済学ないしはゲーム理論ではないので、趣味程度でこの手の問題を考えているのです。

なので、厳密な解というのは知らなくて、自分ならこうするだろうなと思ったのをご紹介します。

 

メダルは出せても3枚まで

自分の場合、この問題の場合、全員が0枚を閉じると結果的に損をしてしまうという状況を理解しているのを前提として考えると、全員が何枚かは公共金庫にメダルを投じるという状況になります。

この状況になった場合、一番なって欲しくないのは、自分が一番損をしてしまう事です。

では、この場合、どういう状況になると自分が一番損するのか考えると

例えば、このゲームの仕組みだと、自分が投じたメダルは、3分の2になって戻ってくると考えられます。

つまり、先であげた文字を使うと、自分の手元に入るメダルは

$$\frac{2x+2y+2z}{3}$$

となりますよね。これはA, B, C全員同じです。

このとき、Aの手持ちのメダルがどうなってるか見てみると

$$5+\frac{2y+2z-x}{3}$$
でしたよね。

BとCに関してはそれぞれ

$$\left(5+\frac{2x+2z-y}{3}\right),\ \left(5+\frac{2x+2y-z}{3}\right)$$

となってます。

では、このとき、Aが一番損するのはどういうパターンなのか考えて見ます。

 

答えは簡単です。

A, B, Cが出したメダルの枚数x, y, zの大小関係で考えてみると、Aが一番損するのは

$$x\ >\ y\ \geq\  z$$

の大小関係の時がAが一番損する時です。

当然ですよね。Aが出した枚数が一番多い場合、xに関して、3人の手元のメダルの関係式を見てみると、Aだけxの項にマイナスが付いていますから、Aが出した枚数が多いとそれだけAの手持ちの枚数が減ってしまいます。

ということは、Aが一番損しないためには、BとCが出したメダルの平均枚数以下の枚数だけ投じれば損をせずに済むということです。

 

なぜ3枚まで?

なぜ3枚までなのか。

このゲームにはペナルティが存在します。5ゲーム終わった時に、個人金庫のメダルの枚数が40枚未満になってしまうと失格になってしまいます。

 

ですから、最低でも何枚までメダルを出していれば、40枚を下回らずに済むのかというと、それがメダル3枚です。

なぜなら、もしも皆がこの認識を持っていた場合

つまり、(x, y, z)が全て(3, 3, 3)のとき、それぞれの手元に入るメダルは、上記の式から、全員8枚になります。

なので、それを5回繰り返せば、全員がちょうど40枚に到達できます。

そういうことなので、最悪でも3枚は全員が出すべきだということです。

 

結論

この問題の場合、相手が愚かで一攫千金を狙うような者でない限りは、全員ほとんどが3枚を公共金庫に入れるだろうと考えられます。

ですが、逆にこのゲームであれば、少なくとも一人が最低ラインの40枚に到達するためには、各ゲームにおいて、投じられたメダルの平均枚数が3枚を下回らなければ良いという事にもなります。

その少なくとも一人になるためには、各ゲームの投じられた平均枚数よりも少ない枚数投じている必要があります。

なので、我々がすべき行動は、第1ゲーム目に勝負をかけることが最適でしょう。

 

つまり、このゲーム、全員が全メダルを公共金庫に入れ続ければ、誰もが40枚を越えることができるし、合計枚数が50枚になることができる。(獲得枚数×1000円もらえるというルールがあった場合などには、獲得枚数を増やすことは大きな目標となる。)

という旨の説明を施し、自分はのうのうと3枚を投じて、残りのゲームも3枚だけ投じ続けます。

自分は5枚投じた。と嘘をつきながら。

 

ちなみに、全員が5枚を投じれば幸せになれる!と言って、5枚投じさせることは全くの悪手とは言いませんが、良い手とは言えませんよね、自分が全員を出し抜こうと考える場合を除いては。

なぜなら、最低でも40枚は獲得する必要があるのですが、50枚まで必要かと言われれば必ずしもそうではありませんよね。

一番獲得枚数が多ければ、優勝して大きなボーナスリターンが得られます。

ということは、獲得枚数50枚を取るよりも、ボーナスを狙う方が良いはずです。なので、みんなが5枚を投じるという空気になったら、大きな利益を取ろうと、最悪でも0枚しかメダルを投じない人が出てくるわけです。

今回3人しかいませんが、それでも、残りの2人が5枚投じた場合、投じられたメダルの平均枚数が3.3枚になるので、1枚も投じなかった人が最低枚数40枚に到達できるということです。

 

ですので、もし全員を公平にしたいと思うのであれば、ライアーゲームの神崎ナオみたいなことをしたければ、みんなに5枚投じさせようとするのではなく、

みんなに最低ラインである40枚になるためには最低でも3枚以上投じなければいけないということを説明し、3枚投じさせるようにすることです。

こうすることで、3枚よりも多くのメダルを投じようとすれば自分以外の皆が得をして、自分だけ損してしまい、

3枚よりも少ないメダルを投じようとすれば、自分は得しますが、手元に残るメダルの量が減ってしまい、最低ラインの40枚を下回ってしまい、結局は損してしまうことになります。

 

ですので、全員は3枚以外のメダルを投じると必ず損をしてしまうという結果になってしまうので、

このゲームの個人的な最適解というのは、自分は必ず多くても3枚までしかメダルを公共金庫に入れないということだと思います。

 

まとめ

では、総括です。

今回の公共財ゲームの例で見てみると、我々がビジネスの場で取るべき行動は、1対1でのゲームの場合は、紳士の態度で取り組むべきですが、

複数人になると、平均的な立場で動くべきだと思われます。

裏切るというよりは、全体の利益が最低限達成されるためのラインにいることが肝要であると思われます。

 

ご参考までに。

ではでは。

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