あなたは投資に向いてる?美人投票で暴くあなたの投資能力
目次
考えて見ると奥が深い、経済行動ゲーム
前回公開した記事(なぜ人々は一発逆転を期待してしまうのか)第7弾です。
今回は、ゲーム理論の問題を実際に解いてみよう!という企画です。
しかし、ゲーム理論の問題はどれも形式張ったものが多く、かなり取っ掛かりにくいものが多いので、
現実世界と馴染みやすいようにアレンジした問題に変えてご紹介しようと思います。
それでは行きましょう。
価格決定ゲーム
まずはじめに以下のゲームをご存知ですか?
・美人投票
これは1930年代のロンドン金融界でよく行われていたコンテストなのですが
プロの投資は新聞の美人投票によくなぞらえれており、投票者は100枚の写真の中から最も美しい顔をした6人を選ぶように求められます。
そして、投票者全員の平均的な好みに一番近い選択をした人に賞品が与えられます。
このような投票を行った時、投票者は自分が一番美しいと思う顔を選ぶのではなく、他の投票者の心を最も捉えそうだと思う顔を選ばなければなりません。
つまり、全員が問題を同じ視点で見ているということである。
ここでの問題は、判断の限りを尽くして本当に美しい顔を選ぶことでもなく、平均的な意見が最も美しいと本当に考えている顔を選ぶことでさえない。
投票者は、知力を注いで平均的な意見だとみなすものを予測するという、第三の次元まで到達しています。
このような美人投票の例はとても金融市場ではいいモデルとなっており、平均を割り出すモデルのことをよく美人投票モデルと言われたりします。
では今回は、この平均を予測するゲーム理論の問題に、少しアレンジを加えてみんなで遊んでみましょう。
・問題設定
これからあるゲームをします。
参加者には0〜100までの中から数字を一つ選んでもらいます。
その数字を集計して、平均値を出し、平均値の3分の2に一番近い数字を選んだ人が勝ちというゲームをします。
あなたならどの数字を選びますか?
・考え方
まず問題を整理します。
- このゲームで大事なのは、平均値を求めることではない
- みんなは平均値をどこに考えるのか
- 平均値の3分の2を求めないといけない
こんな感じでしょう。
では、次に、段階ごとに我々が選ぶべき数字を考えて行きましょう。
- 第0段階:参加者全員が0から100の数字をランダムに投票した時の平均値は50なので、その3分の2である33に投票するべき
- 第1段階:参加者全員がランダムに投票した時の平均値が50なので、投票者は、その3分の2である33に投票するはずなので、自分はその3分の2である22に投票するべき
- 第2段階:投票者全員が、第1段階まで考えているはずなので、その3分の2である14に投票するべき
- 第3段階:投票者全員が、第2段階まで・・・・
という風に考えていくと、投票するべき数字がどんどん小さくなって行きます。
しかし、我々がこのゲームに勝利するためには、投票者が実際にどの段階まで考えているのか判断しなければいけません。
実際ゲーム理論の話なので、この問題における、ナッシュ均衡というものを考えて見ましょう。
ナッシュ均衡とは、ゲーム参加者全員が選んだ選択をしてその選択を変えたくない状況を表しています。
つまり、上記で示した第0段階〜第3段階まででは、どれもかしこもナッシュ均衡ではないわけです。
では、ナッシュ均衡はどこなのか。正解は「0」です。
この問題は、3分の2倍づつ投票する数字が小さくなって来るので、最終的に「0」に落ち着きます。
じゃあ、このゲームをするときは、我々は「0」に投票すればいいんだ。と考えるかもしれませんが、全くの間違えでしょう。
そもそもから間違えている言わざるを得なく、先ほども言ったように、投票者全員がどの段階まで考えられるのかを推し量る必要があるので、
もし、あなたが一般人の人を集めてこのゲームを行ったときに「0」を投票したいと思いますか?
全員がゲーム理論の知識を有しているとは限りませんし、数字にみんな強いわけでもありません。ですから、必ず「0」に投票するのが合理的だと考えるのは愚の骨頂というべきです。
では、この問題の場合、どう考えていけばいいでしょうか。
・そもそも絶対にあり得ない選択肢は削除する
この問題に置いて、よっぽど数字嫌いの人でない限り、絶対に投票しない数字が存在します。
何でしょうか?
正解は「67〜100」です。
当然ですね、もし投票者全員が数字に無頓着な人たちで、全員が「100」に投票した場合、平均は限りなく100に近くでしょう。
ですので、その3分の2である66を選択するべきだと考えますよね。
つまり、投票者全員が一番高い数字を選択した場合でも、正解が67以上になることはないのです。
なので、67以上が正解にならない。この考えをベースに考えて行きます。
次に、66の3分の2である45以下の数字に入るはずだと考えます。
では、0〜45の数字からランダムに数字を選んだ際の平均値は、23となります。
その結果から、その3分の2である15を選ぶべきだと考えて、15に投票します。
・では、ここまで聞いた上であなたはどの数字に投票しますか?
さて私が投票する数字は決まりました。それを受けてあなたはどの数字に投票しようと考えますか?
「10」と答えた人は、少し頭をひねった、とても慎重で頭のいい人だと思います。
「15」と答えた人は、とても素直で、自分の考えにとても固執しやすい人だと思います。
では、この選択をした人はいますか?
「12」または「13」
この選択をする人は、とても投資やビジネスに向いている人だと思います。
なぜなら、おそらくこのゲームにおいて、正解は10未満にならないという予測の元で、上記で私が行った推測をする人が多いと考えます。
その結果、その推測をした人の一部は、さらに裏をかこうとして、15の3分の2である10に投票する人が一定数存在するはずだと考えて、
「15」と「10」の間である、「12」または「13」の数字に投票するといいだろうと考えます。
・正解はどうだったのか
実はこのゲーム、実際に行われたゲームだったんです。
その結果はどうだったと思いますか?
実はこのゲームでの正解者は「13」を選んだ人だったんです。
ちなみに自分は、上記で話した「15」でしたが、このゲームで実際に投票された数字の分布を見てみると、
確かに「15」に投票した人は多かったのですが、それと同じぐらい「10」に投票した人がいました。
そのおかげで、正解の数字が「13」に落ち着いたというわけです。
まとめ
あなたは、正解にたどり着けたでしょうか?
実際に、「12」や「13」を選択できた人は、洞察力が高くとてもズル賢い人なので、投資の素質もあるので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?
ではでは。
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