圧倒的不利から大逆転する知的戦略・その②
目次
不利な立場を利用して相手を出し抜け
前回公開した記事(ビジネスで使える!戦略的思考で勝負強い人になろう!その①)第二弾です。
今回は、不利な立場に追いやられたときに、どう切り抜ければ良いのか?という問題です。
例を挙げると
- 必ず相手が勝つように仕掛けられた賭け事
- 自分以外全員敵になってしまったとき
- 相手が類似商品を格安で販売し始めたとき
以上三つの不利な状況を設定し、それぞれどのように切り抜ければ良いのかをご紹介します。
応用の幅が広い、とても良いモデルです。ぜひご活用くださいませ。
ケース1:必ず相手が勝つように仕掛けられた賭け事
あなたは、友達に10万円ほどお金を貸しています。
しかし、相手はなかなか返してくれる気配もなく、ギャンブルにのめり込んでばかりです。
見かねたあなたは、強硬手段に出ました。友達の家に行き、有り金すべて巻き上げる作戦です。
いざ、友人宅にたどり着くと、友人は自宅で賭場を開いてました。呆れたあなたは、早々に本題に入りました。
「さっさとお金を返してくれ、いま持ってる分だけでも良いから、とにかく全て出せ」と、
すると友人は『確かにそうだな、そろそろお前にお金を返そうと思ってたところなんだ。』
良かった、返してもらえる。そう安心したのも束の間
『だが申し訳ないが、いま手持ちに5万しかないんだ。だが、どうだ?今丁度賭場を開いているんだ。お前もこの5万を種銭にして一発賭けるか?』と
・問題設定
賭けの内容は以下の通り
”ここに白と黒の碁石がある、この碁石を全て机の上に広げて、そこから友人が黒石と白石を一つずつ取り出し、中身の見えない袋の中に入れる。そこから一つだけ石を取り出し、白が出れば、自分が勝ち。種銭5万と上乗せ5万の計10万を手にできる。黒が出れば、友人の勝ち。金の返却期限を伸ばす。”
といったもの。
進行は友人が行い、机に碁石をばら撒き、白と黒の碁石を取り出し、袋の中に入れた。とおもっていたが、友人はずる賢く白の碁石を取ると見せかけて、黒の碁石を入れていました。
つまり、袋の中にはどちらも黒色の碁石が入っており、自分が石を取り出すと必ず負けてしまう状態になってしまいました。
ここで、友人がイカサマをしていると指摘したところで、場所は友人宅の友人主催の賭場。
参加者が友人の肩を持つのは当然であり、なんならいちゃもんをつけられたと、捲し立てられこの賭けを不問にされてしまう可能性もあり、碁石を取り出すほか選択肢はありません。
この圧倒的不利な状態に陥ったとき、どうすれば切り抜けられるでしょうか
・解決策
正解は
”袋の中から、碁石を取り出し、すかさず碁石がばらまかれている机の上に落とす” です。
どういうことか。
今回の問題、碁石は必ず取り出さなければいけません。袋の中には二つとも黒色の碁石しかなく、取り出してしまうと必ず負けてしまいます。
しかし、解答の場合、この不利な状況を、必勝の形にひっくり返すことができるんです。
つまり、取り出した碁石は黒色でしたが、袋の中に残っているのも黒石です。この賭け事の前提は、必ず袋の中には黒石と白石が一つずつ入っているということです。
なので、自分が取り出した碁石がなんなのか分からなくすれば良いということです。
そうすれば、袋の中に残っている碁石を確認させれば、自分が取り出した色は、その袋の中に残っていない色になる。ということです。
ですから、どちらも黒の碁石しかないため、袋の中に残る碁石の色は必ず黒色になり、自分が取り出した色が白色になるというわけです。
これが、相手が必ず勝てる賭け事をひっくり返す知的トリックです。
ケース2:自分以外全員敵になってしまったとき
あなたはちょっと変わった国に住んでいて、そこでは、銃を作る職人と弾丸を作る職人がいます。
しかし、すごい偏りがあり、銃を作れる職人はあなたしかおらず、ほかは弾丸職人しかいません。
そもそも弾丸は銃がないと無価値なもので、銃も弾丸がなければ無価値なものです。
なので、銃と弾丸が揃って初めて1100ダラーで売り物になり、その時の利益は銃職人と弾丸職人で550ダラーずつの折半です。
そんな国で暮らしていたあなた、ある日、特別な弾丸にしか合わない銃を10丁作りました。
そして、その銃に合う弾丸を作った職人が10人いました。
そのとき、職人10人は、結託してあることを銃職人であるあなたに提案しました。
・問題設定
弾丸職人10人はあなたに
『銃職人はお前一人しかいないが、弾丸職人はここに10人いる。つまり、ここにある銃全てが売れれば、お前には550×10の5500ダラーも利益があるのに対して、俺らは550ダラーしか儲からない。これでは不公平だろう?』
『そこでだ、お前は、そこにある銃を一つ100ダラーで俺たちに売れ。そしたらそれ全て売れてお前の利益は1000ダラーだ。俺らもこれを1100ダラーで売るから、利益が1000ダラーとなる。これで公平だと思わないか?』
こう提案してきました。
銃職人のあなたからすればたまったもんじゃありません。普通に売れば5500ダラーの利益になっているのを、1000ダラーの利益にまで下げられるということです。
こちらの作った銃は特殊技術を用いているので、それにあう弾丸を作れるのは、そこの10人以外他におらず、弾丸職人もその銃がなければ、この弾丸は売り物になりません。
銃職人一人しかいないあなたは、取引相手である相手が全員結託し敵に回ってしまったこの状況をどう切り抜ければ良いでしょうか?
・解決策
正解は
”あなたは、その弾丸職人10人の目の前で、銃1丁だけを叩き潰し。「ここにある9丁の銃を一番良い値段を提示した者に順に売っていく」と言う” です。
どういうことか。
今回の状況。需要と供給が一致してしまっているがために起きてしまったわけですよね。
であるならば、その均衡を自ら破ってしまえば良いわけです。
そうすることで、需要側は競って買わざるを得ない状況に陥ってしまうということです。
今回のモデルの肝は、需要と供給のバランスをワザと崩すことで、供給者側が有利に立ち回れるようになるということです。
これが、全員が敵に回った状態を一気に逆転できる知的トリックです。
ケース3:相手が類似商品を格安で販売し始めたとき
あなたは、とあるフリーマーケットで、商品を売ろうと思っています。
あなたはその商品を相場800ダラーとは少し高めの1000ダラーで売れるという確信があり、それを宣伝できるだけの技能も持ち合わせています。
そんな折、隣でも出品の準備をしている区画を覗いたあなたは衝撃的な光景を見てしまいました。
・問題設定
相場800ダラーで売り出されるのが定番の商品を、その隣の区画では400ダラーで売り出そうとしていました。
相場よりも高い1000ダラーで売ろうとしているあなたは、いくらそれを売り出せるだけの能力を有していても、すぐ隣で相場の半額で売りに出されていたら、客は間違いなく隣の商品を購入することは間違いありません。
さて、この圧倒的不利な状況をどうすれば打開することができるでしょうか?
・解決策
正解は、かなりシンプル
”フリーマーケットが始まる前に、隣で売りに出されるその商品を、すべて400ダラーで買いとる” です。
とても単純ですよね。
つまり、あなたは、その商品を1000ダラーで売れるだけの実力があるわけですから、隣の売り場から400ダラーで買い取ったところで、売れた分の利潤600ダラー儲けることができるわけです。
これは、金があるからできることですが、金さえできれば、商品の独占ができてかつ自分の思うがままの価格で販売できるということです。
相手が格安の値段で類似商品を売ってるからと、自分もその値段まで値下げをしてしまうのはひどく愚かな一手であることが理解できるでしょう。
こうすることで、格安の類似商品を販売する業者を一網打尽にすることができるわけです。
最後に
以上三つの不利な状況をケーススタディとしてご紹介させていただきました。
どれも起点の効いた良い解決案ばかりでしたよね。
これらの考え方は、いろんな面でも応用の幅が利くと思うので、ぜひ活用して見てください。
それでは、第三弾も近々記事にしようかと思います。
ではでは。
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